芸術の秋 in 千葉
季節は秋。ということで、芸術の秋を堪能した先日の話を徒然に。
その日は予定も仕事も何も無く、暇を持て余していたので、午後から千葉県立美術館で開催中の江口寿史先生の展示を鑑賞。
近年の美女イラストレーションから、漫画デビュー作「すすめパイレーツ」の原画展示まで、先生の作品を網羅したような大ボリューム回顧展でした。
「かわいーねーかわいーねー」とブツブツ独り言の感想を述べつつ美少女イラストを鑑賞される紳士、作品一点一点をスマホカメラで連写してシャッター音を会場に響かせ続ける紳士、など、独特な客層も興味深い。平日にもかかわらず多くの人が鑑賞していて、土日はけっこう混雑するんじゃないでしょうか。
千葉県立美術館から場所を千葉市立美術館に移して「ブラチスラバ世界絵本原画展」へ。その前に千葉駅前の書店で、雑誌「デジタルカメラマガジン」を購入。
武蔵美の同級生、鳴戸麻子ちゃんの写真が見開き2ページで載っていました。昨年の誌上コンテストで年間最優秀賞受賞を祝しての大特集のようです。
麻子ちゃんはいま、スペインのマドリード在住で、ここ数年カメラにハマって、才能を開花させちゃったみたい。それで誌上コンテストで入賞しまくっているんだとか。卒業以来会ってないけど、昨年LINEで四半世紀ぶりにつながることができて、旧友の意外な(失礼)大活躍に鼻高々。
日本・スペインハーフの可愛い坊ちゃんのポートレイトも同号のコンテストで入賞してました。
麻子ちゃん、自分のWEBサイトも作ったみたいなので、こちらも見た方がイイですね。
そして目的の千葉市美術館。
世界絵本原画展は日本と韓国のものを特集していて、韓国の絵本に面白いモノが多かったな。
本命の原画展を見終わって、同じチケットでついでに見ることができる、美術館に新たに収蔵される作品を集めた、別フロアの展示へ。
お腹も減ってきたので、消化試合的にサッと流し見しようかと思ったところ、展示冒頭の作品に目がとまる。
武蔵美の先輩、宇佐美雅浩さんの写真作品が飾られていました。
宇佐美さんは、活動実態があるような無いような、そんな部活、イラ研(イラストレーションクラブ)の先輩。学生時代そんなに交流なかったから、山田のことはもう覚えてないと思いますが、宇佐美さんは確か、卒業後に大手の広告代理店に入って(ワタシは広告代理店に入りたかったけど全部落ちた)、そのあと広告写真の大御所、操上和美さんの元で写真をやっているー、というのを広告雑誌で見て、「おおー宇佐美さんスゲー!」って、思ったモノです。それもけっこう前のことですが、その後も着実に写真家、美術家として活動して、美術館に作品が収蔵されるまでになるなんて・・・スゲー!宇佐美さん!
写真作品に横には、画面構成のスケッチと、制作過程のドキュメントムービーも掲出されてました。途中からですがムービーを見て、作品にかける思いや苦労など、よく伝わってきました。
宇佐美さんのお父様は千葉市の京葉工業地帯にある川崎製鉄(現JFE)で働いていらしたようで、作品はお父様や当時の職場の皆さんをモデルに、高度成長期の時代の流れや当時の千葉の文化を一枚絵に封じ込めた縮図絵、といったモノです。JFEの工場にセットを組んで一発撮りの写真ですが、その実現に至るまでのJFEの担当者さんとの段取り折衝(JFE側は安全最優先、コロナ禍ということで感染対策も万全にしなければいけない、などなどハードルは非常に高い)や、準備の最中に闘病中だったお父様が亡くなられたり、、、様々な過程が丁寧に記録されていて、胸熱な思いになりました。
思いがけず、先輩の活躍に触れることができて、良き鑑賞でありました。
その後は、千葉市美術館の地下にある飲み屋「盛」でホッピーをチョイ飲みして帰宅。芸術の秋 in 千葉、存分に堪能いたしました。